日本時間の9日、女子テニスの大坂なおみがニューヨークで行われた全米オープンの女子シングル決勝で、元世界ランキング一位のセリーナ・ウィリアムズ選手を6-2,6-4で破って初優勝したことは、すっごくうれしいことです。
なんといっても大阪出身の二十歳の少女というのがうれしいね~~~。
また松岡修造さんが熱の入った解説をしてくれるでしょうな~~~。
【産経新聞の記事から】
快挙である。盛大な拍手を送りたい。
テニスの全米オープン女子シングルスで、大阪出身の20歳、大坂なおみが優勝した。四大大会のシングルスで日本勢の優勝は、男女を通じて初めてである。
しかも決勝の相手が、四大大会23度の優勝を誇り、幼いころから大坂の憧れの存在であり続けたセリーナ・ウィリアムズだったことが、初制覇に彩りを加えた。
セリーナが大坂を称(たた)え、会場のブーイングをスピーチで黙らせた表彰式は、さながら映画のワンシーンのようだった。
女王を相手に堂々と打ち勝ったパワーや、セリーナに対する判定をめぐって騒然とする会場で平常心を失わなかった精神的成長は、今後の大坂の輝かしい未来を予測させる。2年後の東京五輪では一躍、金メダル候補である。
大坂は、ハイチ出身の父、日本人の母の間に大阪で生まれ、3歳で米国に渡った。祖父母は北海道根室市に在住している。全米制覇の吉報は、台風や地震の被災地となった大阪や北海道のファンにも大いに喜ばれたろう。
日本語は少し怪しいが、大会後に今最も食べたいものを聞かれると、トンカツ、カツ丼、カツカレー、デザートに抹茶アイスと答えた。素顔は日本の少女である。
産経新聞のコラム「産経抄」の紹介します。
将棋でも囲碁でも、勝負の決着は静かにつく。対局者の表情からは、どちらが勝ったのか分からない場合がある。感情を面に出さないのが、プロ棋士のたしなみだからだ。スポーツの世界ではあり得ない光景である。
▼その意味で、今年のテニスの全米オープン女子シングルスは、異様な雰囲気のなかで幕を閉じた。勝者である大坂なおみ選手(20)は、ガッツポーズを見せることはない。笑顔さえなく、ただ涙がこぼれるばかりである。四大大会シングルス制覇という、日本テニス史上初の快挙を成し遂げたというのに。
▼原因は全て、敗れた米国のセリーナ・ウィリアムズ選手(36)にある。繰り返し受けた警告に激怒し審判をののしった揚げ句、集中力を失って自滅した。観客はウィリアムズ選手に加勢して、ブーイングを浴びせ続けた。
▼「みんな彼女を応援してたんでしょ。こんな結果でごめんなさい」。表彰式での大坂選手のスピーチは前代未聞である。元女王のウィリアムズ選手には、「プレーしてくれてありがとう」と頭を下げた。大和撫子(なでしこ)らしい振る舞いが功を奏して、ようやく祝福の拍手が広がった。
▼将棋の話に戻せば、元名人の升田幸三は、著書の『王手』でこう説いた。「師匠が弟子を叱るのは、基本を身につけさせる段階までです」「そして基本を出て、最後は、その人の心になる」。
▼もともと大坂選手は、強力なサーブとストロークは折り紙付きながら、精神的なもろさが指摘されてきた。昨年12月から専属コーチになったサーシャ・バインさんは、我慢の大切さを教え、徹底的なトレーニングによる体作りを重視した。見事、才能を開花させた大坂選手はウィリアムズ選手に代わって、「名人」への第一歩を踏み出した。